「超・進化論」生命40億年 地球のルールにせまる

 このタイトルで「NHKスペシャル」のTV番組を観た時の感情は、「キタ~ッ!!」の想いだった。

 「植物は声を持っていて、他の仲間にも話しかけている」と聞いた時には、「仏教と量子学」のyoutube画像や、「腸と森の土を育てる」本の目次、そして、華厳経で説く「因陀羅網」ネットワーク理論などが、脳内でハイパーリンクするような感じで駆け巡っていたのだ。そして、仏が悟りを開く直前は、こういう状態ではなかったと思わせるほどのワクワク感が一気に吹きだし、思考の網羅を突き抜けた快感を覚えたのである。そうなのだ。ついに人間は、ここまでの知性を掴み取るところまで進化してきたのだ、と、宇宙を創造した神の喜びにも似た感情が噴出したのでだ。宇宙創造の神は、自分の存在を知る生命体を創るために宇宙を創ったという説がある。私は、その説に、妙な愛着を持つ。神も、寂しかったのであると思うと、もしかして、寂しさや孤独感は、宇宙をも創造できるほどのエネルギーを持っているのではと、寂しがり屋の自分自身を鼓舞しているのだ。

 話は大きく逸れてしまった感があるが、地球上の生命体として存在している「植物」「昆虫」そして「微生物が」が、それぞれにコミュニケーションをとり、互いに生かし合い、助け合い、そして、学び合いをしているというのだから、多くの人が驚くに違いない。何故なら、人間は、「植物」「昆虫」「微生物」それぞれに機能はあるにしても、声なき物、感覚なき物、ましてや、相手を思いやる感情など、科学的に証明されていないから、信じていない人がほとんどだと思う。

 クラッシック音楽など人間の情操に役立つと思われる音楽を聴かせて野菜や花を育てると、味が良い野菜や成長が早い花が育つなど、事例は数多くあった。それでも、互いにコミュニケーションをとっているまでの確認には至ってなかったと思う。しかし、現在の遺伝学や分子生物学などの最先端科学と、高度な解析技術やイメージング技術の進歩にによって、それを証明するに至っているのだ。その技術は、驚くべきことを明かしたのである。

 植物がまるで”おしゃべり”するように、周りの生き物とコミュニケーションをとっているという、おとぎ話のような事実。

 森の中で、光や栄養分をめぐって競争ばかりしているとばかり思われてきた植物たちが、地価のネットワークでつながって物質のやりとりをしているという事実。

 アリの群れの中には、アリ以外のなんと100種類以上ものさまざまな生き物が暮らしているという事実。そして、目に見えない小さな微生物たちは、植物や動物などのあらゆる生物の中に棲み着くことで、宿主の体の一部を代わりに作ったり、栄養の吸収を助けたりという存在を助けるばかりか、相手の”気分”や”性格”を変えて行動を変えて行動をコントロールしているという、まるでSFのような事実。

 わかってきたのは、生き物同志ををつなぐ、見えない糸の存在だ。すべての生き物は、別の生き物と相互に影響をおよぼし合いながら、生きている。競争だけではない、弱肉強食だけではない、生き物同志が種を超えて、思いもよらないつながりを持って、支え合って生きている。そうした種を超えた深いつながりこそが、生き物たちのかけがえのない能力を生み出す進化の原動力であるという世界観が浮かび上がってきている。

植物がまるで”おしゃべり”するように、周りの生き物とコミュニケーションをとっているという、おとぎ話のような事実。

 森の中で、光や栄養分をめぐって競争ばかりしているとばかり思われてきた植物たちが、地価のネットワークでつながって物質のやりとりをしているという事実。

 アリの群れの中には、アリ以外のなんと100種類以上ものさまざまな生き物が暮らしているという事実。そして、目に見えない小さな微生物たちは、植物や動物などのあらゆる生物の中に棲み着くことで、宿主の体の一部を代わりに作ったり、栄養の吸収を助けたりという存在を助けるばかりか、相手の”気分”や”性格”を変えて行動を変えて行動をコントロールしているという、まるでSFのような事実。

 わかってきたのは、生き物同志をつなぐ、見えない糸の存在だ。すべての生き物は、別の生き物と相互に影響をおよぼし合いながら、生きている。

 競争だけではない。弱肉強食だけではない、生き物同志が種を超えて、思いも寄らないつながりを持って、支え合って生きている。そうした種を超えた深いつながりこそが、生き物たちのかけがえのない能力を生み出す進化の原動力であるという世界観が浮かび上がってきている。

 この生き物同志を見えない糸でつなぐネットワークシステムは、「進化論」とは別の次元で、多様な生命が共存する生態系の本質的な土台を成していると考えることができる。つまり、「進化論」とは別の次元に、多様な生き物たちの共存を促すような、”まだ見ぬもうひとつのルール”が存在している可能性があるのだ。

「超・進化論」書籍化スタッフ NHKスペシャルデレクター・制作統括 白川裕之氏

 微生物は、40億年の生命の時を、そして、植物も昆虫も、人間よりも生命進化の歴史は古い。人間など、足元にもおよばないのである。その時を刻んで得た生きる智慧もまた、人間の知恵では、伺い知ることができないでいるのだ。今、ようやく、その智慧に辿りつくスタートラインに立ったにすぎないと、私は考えている。

 仏教の華厳経で説くところの「因陀羅網」の世界観が、”まだ見ぬもうひとつのルール”を諦らかにする智慧のような気がしてならない。そこでは、当サイトのメインテーマである『「智慧と慈悲」の結集・編集・発信』がキーポイントなると信じている。

 まず、この本を手にすることからお勧めする。この本には、あなたが見ている世界を変える力があるのだ。

競争だけではない。弱肉強食だけではない、生き物同志が種を超えて、思いも寄らないつながりを持って、支え合って生きている。そうした種を超えた深いつながりこそが、生き物たちのかけがえのない能力を生み出す進化の原動力であるという世界観が浮かび上がってきている。