「宇宙137億年の歴史」

 佐藤勝彦さんの最終講義と書いてあるが、私は、宇宙の解明に最終はないと思っている。宇宙の仕組みは、まだ、分からないことだらけなのだ。

 本の帯には「宇宙の仕組みを素粒子で解き明かす!素粒子論とアイシュタイン一般相対性理論の融合。有名なインフレーション理論こうして生まれた」と書かれているが、素粒子理論一般相対性理論も、まだまだ、理論的には完璧ではなく、たまたま、素粒子論も一般相対性理論を裏付けるひとつの現象が発見されただけで、それを基にして、インフレション理論が構築されているということである。私は、否定しているわけではない。私たちが信じてる情報は、特に理論は、その時々の状況や新たな現象の発見で、常に、変化しているということを認識しておく必要があるということだ。

 アインシュタインの一般相対理論だって、当の本人が「誤りであった」と述べ、特殊相対性理論を提唱したのである。しかも、今は、インフレーション理論の確証として、一般相対性理論は正解だったと言われている。だから。変化するのだ。

 だから、宇宙の成り立ちを学ぶ場合は、常に、最新情報を基に、学び続けなくてはいけない。

 人生のありようもしかり、地域開発や平和構築なども、眼の前の現象に依って構築された理論や考え方は、現象が変わることによって、理論の実証にはならなく場合がある。その時には、理解された考え方が、今となっては、当てはまらないことなど山ほどある。だから、学び続ける,そして、変化し続けることが大切だと考える。そして、その変化する中で変わらないものを見つけ出していくことが大切である思う。

 宇宙は、過去・現在・未来を一緒に観察できる空間である。私たちの未来は、過去・現在の結果なのだということを、宇宙を学ぶたびに、その思いを深めている。

 私が素粒子論に惚れたのは、佐治晴夫さんと松岡正剛さんの対談を聞いた時からだ。それ以来、佐野晴夫さんの本を追い求めている。講演でも随分引用させてもらっている。「明日とは何時ですか?」。そこから話に入るのが気に入っていた時代があった。「ゆらぎ」は、私の大好きな言葉になったのである。

 Amazon