コアキナイさん

 嶋田匠さんの仕掛けだ。まったく、自由自在である。そして、緻密だ。人の結びつきは循環型だと確信させてくれる。

 その展開の「しなやかさ」に驚かされる。ソーシャルバー「PORTO」が日比谷を都市開発で立ち退かなくてはいけなくなった時には、もう、日本橋、品川の2拠点に「PORTO」を立ち上げている。その内装等は仲間のDIYである。嶋田さんは人を巻き込むのがうまい。日本橋の「PORT」のイベントに行った時に集まった人が多彩だ。学生から大学の教授、仲間が仲間を呼び、その会話の話題には、事欠かない。たった一言。「どういう関係で、今日は、来たんですか」

 「PORTO」の仕組みも面白い。カンターに立ち、お出迎えしてくれるのは、日替わり店長。これだと思った。もし、自分が店長として立っても、そのネットワークでの知人が来てくれても、1か月31日、毎日、来てくれるわけがない。そこを、日替わり店長にすることによって、その人のネットワークによる来店者の数は、たった一人の店長より店長の数だけ増えることになる。知人も、毎月1回なら、来てくれる負担感はない。真似しようと思った。

 「コアキナイ」にも嶋田さんの知性が満ちている。

「わたしたちの3万円ビジネス」がNHKTVで放送された時、興味があり、早速連絡を取らせていただいた。今は、大きな「商い」をして「大きく儲ける」の流れもあるが、自分の持っている時間と能力を活かし、月3万円ほどの「商い」で、満足という人も増えているのである。つまり「ニッチ」の選択である。自分の経験が知恵となり、その知恵を人に伝えることによって「智慧」となり「商い」となる。自分の経験が、また、人を呼び寄せて、「PORTE」の集客にも繋がっていく。人の結びつきが循環型になると「商い」となることの見本だ。

 嶋田さんのFB情報によると、地域を巡りながら仲間と学び合う大学「さとのば大学」でも講師を務めることを知った。

 嶋田さんの「コアキナイ」という思想と仕組み。その「物語」を読み続けたい。

お問い合わせ

関連記事