株式会社オトングラス 島影圭佑さん

 島影くんは、私と、良く付き合ってくれていると思う。私は、島影くんの独特の世界観が好きだ。好きなのだから、付き合ってもらうしかないと、勝手に思っている。

 島影くんは、お父さんが脳梗塞になり、そのために失語症になったことをキッカケに、「オトングラス」を開発する。簡単に言えば、メガネが文字を認識してくれる装置だ。彼の歩みは、そこをスタートにして世界の仕組みを突き破ろうとしている。世阿弥の「風姿花伝」通称「花伝書」に書かれた「守・破・離」の世界だ。オトングラスをただ単にプロダクトとしての役割に終わらせるのではなく、それを通しての新たなコミュニケーション創りに突き進んだ。「biotope」の世界だ。

 プロダクト製品を中心にした「コミュニケーションとは何か」。彼の歩みは、そこをも離れようとしている。「離」の世界だ。どんな「離」の世界を島影くんは私に魅せてくれるのか。彼に会うと、もう少し長生きしなくては、と願う私である。

お問い合わせ先

関連記事