ハチドリ舎さん

 私が理想とする「空間」「時間」「人間(じんかん)」の「3間」がある。私が初めてこの場所を訪ねた時に、その想いを強くした。午後、子供たちが訪れ、炬燵の温かさにあたりながら、本を読みだした。その隣のテーブルでは、夫婦と思える二人が、ビールで喉を鳴らしている。もっと奥のテーブルでは、中年を越えた男たちが、何をテーマに話しているのかは分からないが、頭を寄せ合っている。そんな、空間だ。映画会もある、広島だけに6日のは、原爆被害者の語り部が登場する。いろんなゲストスピーカーが、さまざまなテーマで語る。夜になれば「ハチドリ舎」主宰の安彦さんがママとなり「スナック恵里香」に変貌する。なんとも多彩な「ハチドリ舎」なのである。

 そんな「ハチドリ舎」の名前の由来が気にいっている。南アメリカの先住民に伝わる物語だ。

「ある時、、森が燃えていました。森の生き物たちは、我先に逃げていきました。でも、クリキンディというハチドリだけは、いったりきたり、口ばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは火の上に落としていきます。動物たちがそれを見て

「そんなことをしたって何になるだ」と言って笑います。

クリキンディは、こう答えました。

私は私のできることをしているの

 安彦さんは、広島の地で、「投票場はあっちじゃけん」「カクワカ(核兵器について考える若者たち)」などの活動を、多くの市民を巻き込んで、その歩みを力強く進めている。見習いたい。

「私は私のできることをしているの」

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