「ごもっとも!」との共感と共に、読み終えた時の妙な高揚感があるのは何故だろう。何も、自分が定年を過ぎた、ただのおじさんと悲観に暮れていた私への救いの価値が手に入ったというだけではない。むしろ、これからが本番だと思っていたくらいだから、定年後ヒーローの究極の目的が「世界平和」というくだりに「ごもっと!」と唸りたくなるのだ。それも、「変態性理論」をぶち上げているところにこころが魅かれる。
現在は地球まるごと生まれ変わりの時です。つまり地球が変態中なのです。動物なら整理生体の全く異なる幼体(幼虫)から生体(成虫)へ成長して変わることです。(中略)
この混乱を 鎮めることができるのは、「大変態の編隊」だけです。「相対性理論」から「変態性理論」への時代です。
人類滅亡の道を辿るか、それとも更なる栄光の架け橋を進むのか。地球で最も重いもの、それは「思い(観念)」です。地球を平安にするためには、人間たちの意識を変化させること、「奪い合う」意識から「分け合う愛」の意識、それは、変態思想と呼びます。
「定年後ヒーロー」第5章
著者の言葉の選び方に、そのユニークさを感じる。例えば、こうだ。「コ・ロ・ナの3文字を合わせると『君』になるって粋じゃないですか。宇宙の配剤としか思えません」と述べている。コロナ禍のコロナの文字の捉え方に座布団3枚。英語でこの講釈は通じるかななどと、サンフランシスコの友達の顔を浮かべながら「なるほど!」と、妙な感動を味わっている自分に気が付いた。読み始めて3ページの冒頭でである。次のくだりもある。
世の中に沢山の反戦運動や平和運動が展開さていますが、ずっとこのまま「私は中国人」「私はフランス人」「私はイラン人」「私はアメリカ人」「私は日本人」などと言っている間は、77億人レベルの高級平和はやってこないような気がするのです。この77億人のルーツを克明に調べ上げることができたとしたら、きっと全員どこか別の星から来たに違いないと思うのです。(中略)
もしその前提が正しいとするならば、この瞬間日本列島という小さな島国で肩よせながら生きている1億2500万人の人類は、その肌の色、属している国、信じる神様の違いなどに関わりなく、押しなべて「在日宇宙人」と称されてイイのではないでしょうか。
「定年後ヒーロー」はじめに
私は、「在日宇宙人」説には、まじめに賛成である。地球のDNA細胞の仕組みは、はるかに遠い宇宙から地球に飛来してきた隕石に張り付いていて、地球に生命が誕生したと信じているからだ。こんなことは、今や、世界の常識だと思っている。「島津製作所ぶーめらん『隕石衝突が生命の起源?』」
その在日宇宙人が、「世界平和」のための「熟年版アベンジャーズ」になるのだ。何故、日本なのか。それは、是非、この本を手にして確認してほしい。戦後、アメリカの陰謀?によって卑屈感の極みとして日本人に植え付けられてしまった、そして、忘れてしまった価値観こそ、実は、世界を平和に導くパワーとなると信じているのだ。なるほど、ここで「ごもっとも!」に繋がるのである。
「人のために、社会のために、そして、国や地球のために……」。「何々の為に、その『ため』に、がなくなったから、何のためにもならなくなったのである(自説)」。私は、「まず、人さま」と教わってきた定年後ヒーローなのである。
国際連合で長年勤めた著者の萩原孝一さんは、定年後ヒーロー(熟年版アベンジャーズ)の生き方10カ条を提唱している。是非、国政選挙に出て、その10カ条を選挙公約にしていただきたいものだ。なにしろ、日本には、定年後ヒーロー予備軍が、4000万人もいるのだから。